映画「アイネクライネナハトムジーク」

「アイネクライネナハトムジーク」は伊坂幸太郎の小説で、タイトルはモーツァルトの同名楽曲から採用されており、「アイネ(ある)クライネ(小さな)ナハト(夜の)ムジーク(曲)」という意味だそうです。伊坂幸太郎と斉藤和義の絆から生まれた作品だといわれています。いくつかの男女の出会いと愛情をほのぼのとした雰囲気で心地よく見せてくれます。物語は、街頭アンケートをしていた佐藤が、ボクシングの世界王座のタイトルマッチの大型ビジョンの見える場所で、ギターの弾き語りの前で紗季と出会うことから始まります。佐藤の親友である織田夫婦や、その織田夫婦の友人が世界チャンピオンの恋人だったりと、都合の良いつながりはありますが、その三つの男女が素敵な関係を見せてくれます。その10年後、佐藤と紗季は同棲はするものの惰性のような生活で結婚するきっかけがつかめないままいるのですが、再挑戦の世界王座のタイトルマッチの夜に昔の気持を取り戻して結婚に至ってハッピーエンドとなります。織田夫妻の娘と久留米の若い恋心や告白の決意、親に対する思いの変化なども微笑ましくサイドストーリーのように描かれています。この物語の中で、「出会うきっかけが運命ではなく、そこで出会ったのが君だったことが良かった」のかどうかを問うシーンがよく出てきます。それは偶然の機会が与えてくれたという受動的な関係ではなく、個人と個人が求めあったのだという能動的な考え方の大切さを教えてくれます。とてもいい映画でした。

上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。また、ネタバレの記述もありますのでご注意ください。

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