映画に行こうかと長女を誘い、長女が好きそうな「メリーおばさんのひつじ」「映画検閲」「エイリアン ロムルス」等を候補に出したのですが、どれもイマイチなのと上映時刻が合わなかったのでどうしようかと話していたら、私も気になっていた「夏目アラタの結婚」がいいねということになって観てきました。
「品川ピエロ」という異名を持つ品川真珠(黒島結菜)という若い女性は、連続バラバラ殺人事件を起こして日本中を震撼させ、現在死刑囚として収監されていた。その品川真珠と手紙のやり取りをしていた被害者の息子からあることを依頼されて、児童相談所の職員である夏目アラタ(柳楽優弥)が面会に行き、その目的のために獄中結婚を申し込むというところから話は始まります。それによって上告裁判の中で事件の真相や真珠の素顔が明かされていくというストーリーです。
テンポが良くて最初から最後まで退屈せずに楽しめた映画でした。連続殺人事件の真実や真犯人はどうなのかとか、アラタと真珠の結婚の目的や今後はどうなるのかとか、興味がずっと継続します。最初は不気味で恐ろしく描かれる真珠ですが、実はそうではなく、むしろ自分の感情を正直に表現する女性であったりと、意外性も楽しめます。真珠がアラタの身体のにおいを嗅ぐ理由も、最後の最後でその理由が明かされて、ああそうだったのかと腹に落ちます。エンドクレジットの後なので、そこで退出した人はそのシーンを観ることができませんので要注意です。上映していたスクリーンが少しにおいがしていたので何かの工事後かなと思って少し不快だったのですが、この結末を見ると、わざとにおいをさせていたのかと思ってしまうくらい、においがポイントでした。
自分がどんな境遇であっても、どんな能力であっても、どんな背景や行動があっても、何かをしたり人を好きになる資格が無いということなどなく、自分の心のまま素直に生きることの大切さも伝わりました。
黒島結菜も難しい役を素晴らしく演じていましたし、ストーリーも楽しめましたし、とてもいい映画でした。

上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。また、ネタバレの記述もありますのでご注意ください。


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