映画「あまろっく」

久しぶりに夜に映画を観ようと思って選んだ映画です。公開時にも少し気になっていた映画でしたが、結局映画館では観ませんでした。

近松優子(江口のり子)は39歳で理不尽なリストラに遭って実家に戻ってきます。実家では鉄工所を経営する父親・竜太郎(笑福亭鶴瓶)がろくに仕事もせずに、日々能天気に笑って暮らしています。そんな父親が20歳の再婚相手・早希(中条あやみ)を連れてきます。年下の母親を迎えた優子は、早希を受け入れない日々を過ごしていたが、ある日竜太郎がジョギング中に亡くなり、優子と早希の二人の生活が始まる・・・というストーリーです。

気楽なコメディーというつもりで観ましたが、途中から涙を流しながら観る羽目になってしまいました。優子のそっけなくも妊娠した早希のことが気にかかり、自分の結婚も素直に受け入れられなくて苦悩する心情。早希の家族に恵まれなかった生い立ちから、家族の団欒を大切にしてそれを幸せに感じる健気さ。竜太郎の「人生に起きることはなんでも楽しまなきゃ」という生き方の背景にある阪神・淡路大震災での悲しい出来事。それぞれが家族を大切に思い、理解しあっていく姿にとても心を打たれました。尼崎の水害を守る「あまろっく」のように、自分が家族を守る「あまろっく」になるという思い、災害で亡くなった人のためにも生き残った人間は楽しく生きなくては申し訳ないという思い、強く心に残りました。

江口のり子、中条あやみ、笑福亭鶴瓶の会話は、軽妙で笑えるのですが、そのやりとりの奥にはたっぷりの優しさがある、そんな映画でした。私好みのとても良いえいがでした。映画館で観ていたら恥ずかしくなるくらい泣いていたと思います。

上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。また、ネタバレの記述もありますのでご注意ください。

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