映画「六人の嘘つきな大学生」

4月に小説を読んで面白かったので、映画化を楽しみにしていた作品です。奥さんと長女と三人で観てきました。

ストーリーは、小説の内容を踏襲しており、あらすじは、小説「六人の嘘つきな大学生」を参照ください。

小説の良さをうまく映像化されていてとても面白かったですが、小説に比べて省略されていることや若干の場面変更があり、犯人を明確にする表面的な話になってしまっているかなという感じでした。「6人の中から一人の内定者を決める」というところや、そこで明かされる個人攻撃の封筒の内容は小説とまったく同じですが、嶌(浜辺美波)の境遇が省略されていたり、8年後の嶌が真実を当時の4人(嶌と亡くなった波多野を除く)に明らかにする設定が変更されています。このあたりは、小説で感じたヒントや伏線の楽しさというものが無くなってしまっていると感じましたが、2時間の面白いストーリーにおさめるには仕方がないというか妥当なことかなと思いました。映像としてはこれはこれで楽しめますが、この作品に限って言えば、私は小説のほうが話の奥が深いし、登場人物の裏表や優しさが意外性を持って表現されていて面白いなという印象でした。

また、小説では、採用試験における人物選定の難しさやいい加減な部分や人の表裏を考えさせられる要素が多かったですが、映画ではそこはそれほどのテーマとは扱っていないようでした。映画では焼いてしまった嶌のことが書かれていた封筒ですが、小説では残されていて書かれていた内容が明らかにされています。映画では省略されている内容なので、しかたなく焼却としたのでしょう。その内容に興味のある方は、ぜひ小説を読むことをお勧めしたいと思います。

どうしても小説との比較を記録したくなりますが、映画としては面白かったですし、波多野の純粋な相手を思う行動に心打たれてジーンとするところもありましたし、とても良い映画だと思いました。

上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。また、ネタバレの記述もありますのでご注意ください。

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