このドラマのCMを見て、有村架純主演ということで興味を持っていたドラマでした。今回体調不良でじっとしている機会があったので、まとめて観てみました。第1話はそのCMを観た数日前に観ていたので、今日は第2話から第8話までを一気に観ました。
さえ子(有村架純)と雄介(生田斗真)は恋人同士、北海道の山で花火を打ち上げてプロポーズをするのですが、乗っていたバスが事故で雄介は亡くなります。雄介の心臓は心臓移植を待っていた成瀬(坂口健太郎)に移植されますが、その心臓には雄介の記憶が残っていた・・・というストーリーです。
心臓に記憶なんてあるのかと思っていましたが、調べてみると、臓器移植でドナーの記憶転移があるということはよく言われているようで、性格が変わったとか嗜好が変わったとかあるそうです。そういうことを知ってこのドラマを観ると、こういうこともあり得るのかなということで少しは感情移入できます。
しかし、そう思って時折目頭が熱くなって感動しながら観ていたのは、第6話くらいまででした。いくら記憶転移がおきているとはいえ、成瀬の行動はさえ子へへの傾きが大きすぎます。今まで近くで支えてきてくれた妻のミキ(中村ゆり)への思いがおざなりすぎます。ましてや命が尽きるとわかってからハワイにいるさえ子に会いに行くということがまったく理解できませんでした。そんなに雄介の記憶が成瀬の中を占領しているのか、それとも成瀬自身がさえ子への思いが強いのか、どちらにしても、私は成瀬に共感できなくて、第7話、第8話の話の本来感動すべきだろうシーンは白けて観てしまいました。一番健気で愛が深くて心が広かったのは成瀬の妻のミキであり、私は彼女の心情、行動に心打たれ、だからこそ、妻を軽く扱うようになってさえ子のもとへ行こうと思う成瀬の行動は違うんじゃないかと思ってしまいました。
あえてこういうストーリーにするならば、成瀬の妻への愛情と雄介の記憶転移でのさえ子への愛情が、心の中で葛藤する姿を描いてくれたら、もっと感情移入できて共感できたのではないかと思います。私には妻を蔑ろにした成瀬のただの心移りにしか思えませんでした。
途中まではいい作品だなぁと思って感情を揺さぶられながら観ていましたが、最後は少し腹立たしくモヤモヤした感情で終わってしまったドラマでした。俳優としては好きな有村架純、坂口健太郎、生田斗真がメインキャストだし、妻のミキ、ヒロ(三浦友和)、健吾(奥田瑛太)、篠田(イッセー尾形)などの脇役のキャラクターもとても良かったのに、こんな印象で観終えてしまったのは、ちょっと残念でした。 ただ、雄介の考え方や生き方(嫌なことも楽しくなる、自分が嫌だったことは人にはさせないようにする、等)は、とても考えさせられて参考になりました。

上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。また、ネタバレの記述もありますのでご注意ください。


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