家族が入場特典目的で「劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク」を朝一番で観に行くというので、私もこの映画をみたかったので一緒に映画館に出かけました。映画館は、「劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク」の入場特典目的の人がとても多くて、今まで観たことも無いくらいに賑わっていました。「サンセット・サンライズ」は普通よりも少なめの入りで、静かに落ち着いて観ることができました。
物語の舞台は2020年の東北の三陸の海に近い町です。コロナ禍真っただ中で、リモートワークが広まり、大企業に勤める西尾(菅田将暉)は家賃6万円の家を見つけてお試し移住をしてきます。大家の百香は、夫と子供二人を震災で亡くし、家は家族のために夫が建てた家で、百香は夫の実家に義父・章男(中村雅俊)と暮らしているので、その家をどうするか悩んでいた時に、職場(役場)の空き家活用の仕事を任されたのをきっかけに借家として出したものでした。震災で悲しみを背負った百香を思う住民たちは西尾をよそ者として扱い方に戸惑い、西尾もそんな距離感に戸惑いながらも、やがて心を通じ合っていく・・・というストーリーです。
クドカン(宮藤官九郎)脚本ということもあり、コミカルで明るい雰囲気(わざとらしいところや非現実的なところもあり)なのですが、百香の東日本大震災で亡くした家族の話や、震災そのものの話の時は、ぐっと胸にくるものがあり目頭が熱くなってウルウルしてしまいました。お涙頂戴の泣かせようとする流れではないのですが、心の中の静かな悲しさや辛さや切なさが迫ってくるという感じです。菅田将暉は好きな俳優ですが、この映画でも明るさと優しさをとてもうまく表現していました。久しぶりに見た井上真央も自分が幸せになっていいのかという複雑な心情がよく伝わってきました。
ただ、西尾と百香は結婚せずに、章男とともに家族となるという、それぞれが好きなように生きることという形で落ち着くのですが、観ている側としては「それでいいのか?」というそんな気持ちが少し残ります。悪い言い方をすれば中途半端な結論、そんな感じでした。まぁ、いろんな結論や考え方があるので、これもひとつの結末なのかもしれませんが。
結末さえ除けば、全体的には面白くて笑えましたし、あらためて東日本大震災のことを考えましたし、菅田将暉や井上真央の魅力満載でしたし、笑いと優しさの伝わるいい映画でした。

上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。また、ネタバレの記述もありますのでご注意ください。


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