予告を観て不気味そうで怖そうで面白そうと思っていた映画だったので、そういう映画が好きな長女とふたりで観てきました。
イラストレータの杏奈(深川麻衣)は脱サラした夫の輝道(若葉竜也)とともに都会から田舎の麻宮村に移住します。麻宮村では、自治会長の田久保(田口トモロヲ)が村民を仕切っていたが、素朴な田舎生活に杏奈と輝道は満足していました。しかし、子どもを産むことをしつこく言ってきたり、田久保に怯える村民がいたりしてだんだんと不信感を抱くようになります。杏奈はそんな中、妊娠し長男を出産し育てることになるのですが、田久保の妻・よしこ(杉田かおる)の子育てに入り込んでくる行動や、輝道が田久保と行動をともにするような行動等に対して、大きなストレスを抱くようになっていく・・・というストーリーです。
不気味で怖い映画を期待していましたが、もうひとひねりした怖さや、恐怖の緊迫感などがちょっと物足りませんでした。麻宮村の異常さもカルト的なものではなくて、村を立て直すための違法行為だということで、それはあるかもしれないという現実的なものでした。もっとぶっ飛んだ設定の方が、怖さや不気味さを楽しめるストーリーになったのかもしれません。田久保役の田口トモロヲが肝となる存在なのですが、田口トモロヲは異常さを出そうとしても良いおじさんという印象が先に来てしまうのが惜しかったです。また、杏奈は最後まで村に染まらずに正常な判断と行動だったのですが、杏奈も壊れたり村に染まってしまうというオチのほうが怖いと思いました。ラストシーンも切迫感をあまり感じない脱出だったので、「戻ろう」という台詞が心に届きませんでした。最後まで興味を持って面白く鑑賞しましたが、思っていたよりは普通だった感じの映画でした。

上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。また、ネタバレの記述もありますのでご注意ください。


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