映画「ウィキッド ふたりの魔女」

【あらすじ】
魔法と幻想の国オズにあるシズ大学で出会った、緑色の肌を持つエルファバと、人気者のグリンダ。見た目も性格も魔法の才能も異なるふたりだったが、寄宿舎でルームメイトになったことから友情を深めてゆく。しかし、この出会いがオズの運命を変えることに・・・

【感想】
奥さんと長女が観たいというので、私も一緒に行って観てきました。観たのは吹替版ではなく字幕版です。

2時間40分の長編、ミュージカル、夜21時からの上映、ということで、私には合わない映画で途中で寝てしまうかもと思って観始めましたが、そんな暇はないほど面白くて素晴らしい映画でした。ほとんどの台詞やシーンが歌で繰り広げられるのですが、まったく違和感なくて、むしろそれが自然な感じで受け入れることができました。

幻想の国オズにあるシズ大学で出会った、緑の皮膚を持つためにイジメや偏見に耐えてきたエルファバと、美しくて人の中心にいるグリンダ。そのふたりがそれぞれ「悪い魔女」「善い魔女」と呼ばれるようになった理由とその過程が描かれた物語です。エルファバは正義感が強く優しくて、そしてイジメや偏見に強い心を持っています。グリンダは美しくて能天気なほど明るくて、人を引き付ける魅力を持っています。どちらかというと、エルファバが「善い魔女」と言ってもいいくらいなのですが、オズの権力者・オズの魔法使いの意向に従わなかったために「悪い魔女」というレッテルを貼られてしまいます。そういうところはとても切なくてやりきれない感じがします。グリンダとエルファバが友情を深めていく前半は、エルファバへの人々の偏見に対して少し嫌悪感を感じますが、全体的に明るく笑えるシーンが多くて穏やかに楽しく観ることができます。エルファバの思いを察してグリンダが一緒に踊ろうとするシーンは、感動的でジーンときます。後半は、エメラルドシティでのエルファバとオズの魔法使いの兵と闘うシーンがとても迫力あって素晴らしいです。ただ、その戦いは、エルファバのその後の運命を決めてしまうことになり、エルファバの怒りがとても切なく悲しく伝わってきます。今回の映画は、エルファバが西に向かって去るところで終わりますが、その続きは後編に続きます。

今回の冒頭では、「西の悪い悪魔」が征伐されて象徴である帽子だけが残っているシーンが描かれ、「南の良い魔女」であるグリンダが住民に「西の悪い魔女」は死んだことを嬉々として伝えるところから、グリンダの回想という形で時間を遡って出会いから描かれるのですが、観終わってみると、本当にエルファバは死んだのかという疑問が浮かんできます。エルファバとグリンダの友情はその後どうなるのか、ミュージカル「ウィキッド」を観たことがある人はその後の展開を知っているのだと思いますが、私はまったく知らないので、今年後半に公開される後編を楽しみに待ちたいと思います。

また、今回は字幕版を観ましたが、高畑充希(エルファバ役)と清水美依紗(グリンダ役)が演じる吹替版も観たいねと長女と意見が合いました。ひょっとしたら、吹替版も観に行くかもしれません。私にとっては予想外のとっても素晴らしい映画でした。

上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。また、ネタバレの記述もありますのでご注意ください。

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