映画「名探偵コナン 天国へのカウントダウン」

【あらすじ】
コナンは、阿笠博士や少年探偵団とのキャンプからの帰り道に、西多摩市のツインタワービルの見物へ向かう。ビルに着くと、入口に小五郎、蘭、園子の姿があった。ツインタワービルのオーナー・常盤美緒は小五郎の大学の後輩であり、オープン前に特別招待されていた。その夜、ビルにあるスイートルームの一室で市議会議員の大木が何者かに刺殺される。コナンと少年探偵団は大木殺害事件の調査を始める。その一環で専務の原佳明のマンションを訪れるが、彼はすでに遺体となっていた。ふたつの殺人現場には割れた猪口が置かれていたため、警察は連続殺人として捜査を進める。そんな中、ビルのオープンパーティーで、美緒の絵の先生でもある日本画巨匠・如月の富士山の絵を紹介するため照明が落とされるが、明かりがつくと絵の前に美緒の遺体が吊るされていた。コナンが事件の真相に近づく中、ビルに仕掛けられた爆弾が爆発する。灰原(シェリー)がパーティーに参加すると知った黒ずくめの組織の仕業だった。コナンたちは無事にビルから逃げることができるのか・・・

【感想】
劇場版「名探偵コナン」の第5弾です。朝食後ののんびりした時間に鑑賞しました。

今回は、劇場版では初めて黒ずくめの組織が登場します。灰原(宮野志保)を殺害するためということなので、灰原にスポットを当てた描写も多くなっています。また、少年探偵団の活躍、特にタイトルとなっているカウントダウンでの歩美の活躍に大きなスポットが当てられています。メインでは無い登場人物にも過去作品からの関連が織り込まれていて(西多摩市での犯人・森谷とのかかわり)、「名探偵コナン」という作品のスケール感を大きくしています。第4作では無かった爆発シーンは、この作品では手に汗握るシーンのメインとなっており、できたばかりの素晴らしいツインビルが傷つくのはちょっと気になりながら観てしまいます。知っている人が殺され、時間と費用をかけた建築物が傷ついても最後は笑いで終わるのは、この作品の性格上受け入れるものかも知れません。また、消化ホースで脱出するシーンとか、車で隣のビルに脱出するシーンは「それは無理だろう」と思ってしまいますが、アニメだからの面白発想であり割り切って楽しむのがアニメの醍醐味なんでしょう。

黒ずくめの組織の犯行以外の殺人の動機はわからないでもない切ない理由でした。人生をかけた景観が、法を捻じ曲げられることで乱された怒りはもっともだと思います。もっともだけど、それで殺人を犯してしまう愚かさ。そういうところは、考えさせられる問題でもありました。

この作品は、登場人物の複雑さも無く、爆発からの脱出という緊張感もあり、少年探偵団の活躍もあり、新一と蘭のお互いの思いもきちんと描かれており、とても良かったし楽しめました。

上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。また、ネタバレの記述もありますのでご注意ください。

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