【あらすじ】
俊樹(鈴木亮平)とフミ子(有村架純)は、大阪の下町に住む兄妹。ふたりは早くに両親と死別しており、俊樹は父の生前に交わした、妹を守りぬくという約束を守って生きている。そして、フミ子の結婚が決まり、そのことに安堵し、フミ子の幸せを願う俊樹だったが、兄妹子供の頃にある秘密を共有しており、俊樹はフミ子の結婚式前の不審な行動からその秘密のことを思い出してしまう。俊樹はフミ子の婚約者・中沢(鈴鹿央士)とともに、その秘密の場所、彦根に向かう・・・
【感想】
ゴールデンウィーク初日の映画館は、駐車場はいっぱいでたくさんの人であふれていました。
しっかりと泣けました。泣くつもりがなくても目から涙が自然に溢れて頬に伝う、そんな感じでした。俊樹の妹を思う愛情の深さ、俊樹とフミ子を温かく包む周辺の人々の気持、フミ子の中で残る喜代美の思い、そういうフミ子と俊樹に接する繁田家の優しい感情。すべてが優しく温かな雰囲気で包まれた映画でした。
「花まんま」というタイトルの意味がわかる最初のシーンでは、一気に感情が高まります。父を心配しながらも会えない娘が考えた最高の贈り物でした。フミ子は俊樹の愛情がわかっているから、心の中の喜代美の思いを押し通すこともせずに、その範囲内でできうることをしているという優しい配慮も心打ちます。そんな秘密のあるフミ子を理解して、それも含めたフミ子を愛する中沢の優しさも素敵でした。烏と会話できるというコミカルなシーンも、雰囲気を和ませるいい設定でした。
そして、結婚式での俊樹のスピーチが優しさと感謝の気持ちが溢れていてとても素晴らしかったです。すべての人に感謝して繁田家族も受け入れて、これからもよろしくと言ったにもかかわらず、結婚式が終わるとフミ子の中から喜代美は消えてしまい繁田が誰かもわからなくなります。私としては、この結末はあえて悲しさや切なさを強調したいだけに感じてしまい、違和感が残ってしまいました。喜代美の視点での記憶は徐々に消えていくのはありだとは思うのですが、フミ子の行動の記憶は消える必要はないし、消えるべきではないと思いました。「私は私!」と言ったフミ子の言葉からも、その方が自然に感じます。ここは、この結果のほうがいいという人も多いと思いますので、ひとぞれぞれの感じ方だと思います。
俊樹役の鈴木亮平、フミ子役の有村架純、中沢役の鈴鹿央士、そして周辺の人々、すべてとても素晴らしいキャストで素晴らしい演技でした。思っていた以上に感動して満足感のある映画でした。

上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。また、ネタバレの記述もありますのでご注意ください。


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