映画「#真相をお話しします」

【あらすじ】
ビルの警備室で、住民の鈴木(大森元貴)と警備員の桐山(菊池風磨)はサテツ(岡山天音)の配信する暴露系チャンネル「#真相をお話しします」を見ていた。話し手に選ばれた人間は、真相の暴露と引き換えに視聴者から投げ銭を手に入れることができる。最初に選ばれたカテキョ(綱啓永)が「惨者面談」の真相を暴露、次に選ばれたミーコ(福本莉子)が「ヤリモク」の真相を暴露。驚愕の真相が明かされ、番組は盛り上がる。次に選ばれたのは桐山。警備王として「三角奸計」の真相を暴露する。ここで、突然警備室にいた鈴木が「チョモ」を名乗り、11年前に突然閉鎖された「ふるはうす☆デイズ」の閉鎖理由を暴露し始める・・・

【感想】
長女も小説を知っていて映画も観たいと言っていたので、久しぶりにひとりではなくて長女とふたりで観てきました。

原作は繋がりの無い単独の5つの短編(惨者面談、ヤリモク、パンドラ、三角奸計、#拡散希望)だったので、これをどうひとつの映画にするのかなというのが、一番興味があったところです。全体は、「#拡散希望」のストーリーをもとに広がりを与えた内容となっており、その他の話は、番組の中で紹介される真相暴露話という位置づけになっています。パンドラだけは織り込まれていませんでしたが、そのほかは見事に関連付けてひとつの話にまとめてあって驚きました。パンドラも驚く真相なのでぜひ入れて欲しかったですが、時間的にひとつ省略するのは仕方が無かったのかもしれません。本を読んでいてそれぞれの話の真相は知っているので驚きとか意外性は感じませんでしたが、全体のストーリーとその結末は気になって引き込まれてしまいました。映画ならではの設定によって、本を読んだことのある人でも面白く観ることができる映画でした。

知らないうちにネットに晒されていたトラウマと復讐。匿名で無責任に他人を追ったり追いつめたりすることへの嫌悪、そういうことがベースのテーマとなっていますので、そういうところは共感するところでもありました。だからといって、復讐みたいな行動は許されるべきではありませんが。

この映画を観てから原作を読むと、ちょっと物足りなく感じるかもしれません。読んでから観るか、観てから読むかということを難しいなぁと感じさせてくれる映画でもありました。

上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。また、ネタバレの記述もありますのでご注意ください。

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