【あらすじ】
江戸川コナン達は新型仮想体感ゲーム機「コクーン」の完成披露パーティーを訪れる。その裏で、ゲームの開発者である樫村忠彬がIT企業社長のトマス・シンドラーに刺殺される事件が発生した。樫村の残したダイイング・メッセージが実在した殺人鬼のジャック・ザ・リッパーを指しており、100年前のロンドンを舞台としたゲーム内に手がかりがあると考えたコナンは、ゲームへの参加を決める。コナンや少年探偵団や灰原哀、毛利蘭はゲームの世界に入るが、ゲームは人工知能ノアズ・アークに乗っ取られてしまう。ノアズ・アークはシンドラーのもとで2年前に自殺したヒロキ・サワダという少年が開発した成長する人工知能であり、自殺直前のヒロキによって一般の電話回線へ解き放たれていた。ノアズ・アークは「日本のリセット」と嘯き、50人のゲーム参加者全員が脱落すれば有力者の子や孫である彼らの脳を破壊すると宣言し、5種類のステージに参加させる。コナンたちはジャック・ザ・リッパーを捕らえるシナリオ「オールドタイム・ロンドン」を選択し、パーティー会場で不遜な態度を取っていた諸星秀樹、滝沢進也、江守晃、菊川清一郎と行動を共にすることとなった・・・
【感想】
劇場版「名探偵コナン」の第6弾です。
賛否両論のある作品だと聞いていましたが、私はVRの先取り、仲間を信じて仲間を助け合う心、シャーロックホームズの時代への郷愁、などいろいろと考えられているストーリーだと思って観ていました。特にVRの世界でのゲームや、人工知能に対する期待と恐れを20年以上前に扱っていたのは、本当に先見の明のある作品だと思いました。
ただ、コナンは樫村が殺された犯人の真実を追うために樫村のダイイング・メッセージをもとにゲームに参加したわけですが、それとは関係なく、凶器のナイフの謎だけで工藤優作が犯人をトマス・シンドラーであることを突き止めたことで、コナンはそもそもゲームに参加する必要があったのかと思いましたし、コナン自体の謎解きもその時々の行動を考える中の直感的なところが多くて、謎解きの面白さはあまりなかったと思いました。
でも、コナンがゲームに参加しなかったら、ゲームに参加した子供たちがどうなっていたのか、ヒロキ・サワダの思いが伝わっていたのか、ということもあり、コナンがゲームに参加すること前提の物語だった、そして、そのきっかけを樫村の殺人ということにしたと考えれば、殺人の犯人やその動機にはあまり重きを置いていないのも仕方がないのかなと思いました。そもそも、トマス・シンドラーの殺人の動機は、自分の祖先(ジャック・ザ・リッパー)のことで殺人までするかという理解しがたい動機でしたし。
時代を先取りした面白い設定で感動的なシーンもあったけど、謎解きの面では物足りないし子供の命をゲーム内で軽んじている、だから賛否両論ということなのかもしれません。私はこれはこれで面白くて楽しめました。

上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。また、ネタバレの記述もありますのでご注意ください。


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