【あらすじ】
結婚を控え、同居する祖母と死別してしまったOL、真紀(佐々木希)は、祖母の遺品整理の時に婚姻届の束を見つけた。真紀は、納骨のために訪れた故郷、出雲で、その夫の欄に記されていた男性を、地元の充(井坂俊哉)の協力を得て探そうとするが、男性は既に転居していた。行き詰まった真紀に、婚姻届の一つの住所をもとに訪ねた造り酒屋で思わぬ真相と出会いが訪れる。
【感想】
寝る前に何か映画を観ようと思って物色していたところ、「○○時に配信終了」という文字を観て、せっかくだから観ておこうと思って観てみました。
映像の撮り方、つなぎ方に独特の雰囲気のある映画でした。説明や台詞の多い映画に観慣れていたので、静かに台詞も少なく淡々と流れるドキュメンタリー的な映像は新鮮でした。しかし、ひとつひとつのシーンの意味や内容がわかり難くて、この一瞬のシーン(例えば、駅でのシーンとか)の意味はなんだろうと考えてしまうところがいくつかありました。また、真紀と充のキャラクターは、時間の進みをあまり感じないわりに、よそよそしかったのに親し気になったり、饒舌になったり、ちょっとその心の変化の理由が見えず違和感を感じました。それは映画の作りというよりも、俳優の表現力によるものかも知れません。
「縁(えにし)」というタイトルですが、その「縁(えにし)」という神秘的な意味はあまり感じませんでした。祖母の遺品の婚姻届けに書かれた男と真紀との縁(えにし)のことか、祖母の生前の人との深いかかわりのことか、それ以外は特に縁(えにし)を感じる人々の関係性は感じませんでした。とすると、ラストシーンで真紀を船で送ってきた人物が父であり、祖母の遺品から出雲の地で出会うことができた神がかり的な縁(えにし)ということが、この映画の大きなテーマだったと考えるのが自然なのでしょうか。
出雲の観光映画という視点で見るとそれなりに魅力は伝えていると思いますが、ひとつの映画としてはわかり難く、少し退屈に感じました。佐々木希のシーンごとの姿を観るということで、なんとか最後まで眠くならずに観終えることができました。

上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。また、ネタバレの記述もありますのでご注意ください。


コメント