映画「太陽の坐る場所」

【あらすじ】
東京から電車で2時間ほど離れた田舎の高校のクラス会が行われていた。卒業から10年が経ち、かつて女王様的存在だった高間響子(水川あさみ)は、地方でアナウンサーになっていた。しかし話題に上るのは、今をときめく女優になった同じ名前のキョウコ(木村文乃)のことばかりだった。響子もキョウコも高校時代の苦い思い出を抱かえていた・・・

【感想】
寝る前に観る映画として、今回はこの映画を選びました。観た後に、原作が辻村深月だと知って驚きました。辻村深月原作の映画は、「傲慢と善良」「ハケンアニメ!」「かがみの孤城」に続き4作目の鑑賞となります。

辻村深月の傑作ミステリーと言う触れ込みでしたが、この映画は原作と視点を変えているようです。ミステリーという感じではなく、「キョウコ」という同じ名前の二人の高校生時代の若気の至り、それによる心の痛みや後悔を、クラス会への出席を通じて過去と現在の映像で心の中を透かすような形で描いている映画でした。原作は、もっとたくさんの人物による群像劇で、その中にあるミステリーが含まれているとのことですが、映画ではその中の高間と鈴原の二人のことに絞った物語にしているだけのようです。そういう意味で、小説はもっと面白いのだろうと思ったので、近いうちに小説を読んでみようと思います。

木村文乃が好きなのと、この二人に高校生時代にどんなことがあったのか、現在立場が逆転して再会したらどんな会話をするのかを期待して観続けましたが、ラストシーンは期待外れで意味がよくわかりませんでした。私も学生時代は人間関係の拙さや自分勝手な行動を思い出しては恥じたり後悔したりで、高間の気持は性別は違っていても理解できるところはありました。なので、ラストシーンでは、そんな自分の心も救ってくれるような感動的で思いがけない結末を期待していましたが、やっと二人が再会したにもかかわらず中途半端で中身のない会話で終了という物足りない結末でした。「太陽が坐る場所」という意味深なタイトルの意味もうまく表現できていない感じでした。

内容的には興味のあるテーマだったので、そういう意味では面白い映画でしたが、そこから感じるもの得るものはあまり無い映画でした。

上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。また、ネタバレの記述もありますのでご注意ください。

コメント