ドラマ「連続殺人鬼カエル男」

【あらすじ】
荒れ果てたマンションの10階で軒に吊るされた女性の死体が見つかった。死体が包まれていたシートの内側には「きょう、かえるをつかまえたよ。みのむしにしてみよう」と書かれた犯行声明文らしきものが。このことから、マスコミは猟奇的な事件として大々的に報道する。刑事の古手川(工藤阿須加)と渡瀬(鶴見辰吾)は精神障害が疑われる犯人を追うが、何の手がかりも掴めないまま同一犯による第2の殺人事件が起きてしまう。今度は廃車工場の車のトランクから潰れた死体が見つかったのだ。「かえるはぜんぶ、ぼくのおもちゃだ」と書かれた紙が再び現場で見つかったことで犯人は「カエル男」と呼ばれ、街の住人達を恐怖と混乱の渦に陥れていく。果たして古手川と渡瀬は「カエル男」の正体を暴き逮捕することができるのか!?

【感想】
「連続殺人鬼カエル男」は小説を読んで面白かったのでドラマがないか調べたら、U-NEXTとカンテレが2020年にドラマ化していたことを知ったので、配信していたU-NEXTで一気に視聴しました。このドラマは、『このミス』大賞作品をドラマ化する企画の中の第4弾として制作されたものです。

原作に忠実でありながら、小説で目を背けたくなった残虐シーン(例えば、口をフックにかけられて吊るすとか、内臓を遺体と同じ場所に並べるとか・・・)や、冗長に感じた警察襲撃や古手川が襲われるシーンは、ドラマでは最適化されていて、バランスの良い流れになっていました。特に、小説では古手川が受けた負傷はあまりにも生々しくて酷いもので、生きているのが不思議という感じがしてやりすぎ感を感じました。ドラマでは古手川の負傷度合いは、現実感のある程度で留めてあって、普通にありそうな感じになっていました。

原作とやや異なる点は、最後の有働さゆり宅での古手川とさゆりが対峙するシーンで、御前崎の関与(灯りを消す)をうかがわせたことと、さゆりが暗闇で別人格を出すというところでした。さゆりが暗闇で別人格を出すということに対しては、過去の殺人は暗闇ではなかったし、計画するのは明るい時であるはずだし、説明のつかないことになってしまいます。そこがちょっと違和感を感じました。

小説であったナツオの話は途中挿入ではなく、最後に犯人が捕まった時に渡瀬から調査内容として簡単に語られるだけなので、小説で私が勘違いしてしまったようなこと(ナツオという男名なので、小説ではミスリードさせる意図あり)はありませんでした。

映像なのに小説よりもソフトに感じたのはちょっと意外でしたが、キャストも含めて、原作を読んでいても十分楽しめるドラマでした。

上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。また、ネタバレの記述もありますのでご注意ください。

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