映画「お母さんが一緒」

【あらすじ】
三姉妹の長女・弥生(江口のりこ)は美人な妹たちにコンプレックスを抱き、次女の愛美(内田慈)は優等生の姉との比較を恨み、三女の清美(古川琴音)は姉たちを冷めた目で見ていた。彼女たちは共通して母親のような人生を送りたくないと思っていた。三姉妹は親孝行で母親を温泉旅行に連れ出すが・・・

【感想】
この映画は、江口のりこ、古川琴音が出ていたので昨年公開前には少し気になっていた映画でしたが、映画館で観ようというところまで気持は乗りませんでした。U-NEXTで無料配信されていたので観てみました。

この映画の面白さは、3姉妹のそれぞれの劣等感や不満や我儘を吐き出す会話だと思います。特に長女・弥生がらみの会話には思わず吹き出してしまうほど面白かったです。しかし、ホテルから清美がいなくなって戻ってきてからの3人の会話は、弥生の言うことがあまりにも自己中心的で少し腹立たしくなったところもあります。そこはもう少し三女への思いやりを感じることができればよかったかなと思いました。そこも面白おかしく観て、心の奥底には家族愛があるというふうに受け取らなくてはいけないのかも知れませんが、ちょっと子供っぽく感じてしまいました。でも、本当の家族はこの形に近いのかもしれないなぁというふうにも感じました。日頃は言いたいことを言って我儘で傷つけて、でもそれでも心から嫌いにはなれずに愛している。振り返れば私の親との関係もそれに近かったかもしれません。

3姉妹はそれぞれに対しても母に対しても、不満を言いながらも突き放すところまで心は離れていない、それをつなぎとめているのは、結局、娘たちが不満を持ちながらも愛情を求めている母の存在なのかもしれません。この映画で3姉妹の母は登場しません(車に乗っている一瞬のシルエットのみ)が、母の存在が大きな存在に感じられるのも、そういう3姉妹の会話の魅力です。

最後は、母が霊験豊かな霊水を飲んで素直になった(かもしれない)というオチで、めでたしめでたしで終わるのも、出来すぎではあるものの、これで3姉妹は救われたということで良かったと思います。

なんだかんだ言っても家族は面倒なものですが、それでもかけがえのないもの、そんなことを感じる映画でした。

上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。また、ネタバレの記述もありますのでご注意ください。

コメント