映画「見える子ちゃん」

【あらすじ】
女子高校生のみこ(原菜乃華)は、ある日突然、霊が見えるようになる。危険な霊に囲まれていることを知った彼女は、生き残るために見えないふりをする。友達のハナ(久間田琳加)が霊にとり憑かれても、同級生に見えないふりがバレそうになっても、みこは全力で無視を続けるのだが・・・

【感想】
ホラー好きな長女も観たいと言っていた映画だったので、長女の仕事が終わってからふたりで観てきました。

ホラーと言ってもホラーコメディと書いてある通り、怖さというよりも霊が見えることで起きる霊とのバトルとか、霊に取りつかれた友人や先生を助けるというストーリーでした。最初に子供の霊が出てきてみこを追いかけるシーンはちょっとゾッとしましたが、それ以降は霊の形がわかってきましたので、それほど怖いという感じはありませんでした。怖さという点では肩透かしは食いましたが、全体としては主役の原菜乃華が落ち着いたいい感じを出しており、面白くて楽しめる映画でした。

取りつかれた霊を取り除く小さな神社になぜそんな力があるのかとか、権藤昭生(山下幸輝)が口ばかりで何もしないとか、みこの母親・透子(高岡早紀)が食事の支度をみこに任せきりにしているとか、みこの父親・真守(滝藤賢一)が口数多く話しかけているのに家族みんなが無視しているとか、それぞれのキャラクターにあんまりいい印象を持たないシーンが続いていたのですが、最後に明かされるいろんな真実で、「ああそうだったのか」とすべてが腹に落ちてきます。それによって印象の悪かったキャラクターが、そうならざるを得ない悲しくて切ない存在だったということがわかって、とても感動的でした。特に、みこが父親のことをユリア(なえなの)に話すシーンは目頭が熱くなってしまいました。あとで聞くと、長女も同じ感情を持ったようで、「お父さんのシーンで泣いてしまった」と言っていました。

ホラー映画は、後味の悪い終わり方をすることが多いですが、この映画は死んだ人との関係を考えさせられて、とても心温まる気持ちでハッピーに観終わることができて、ドキドキあり、笑いあり、涙ありのとても良い映画でした。この映画のように霊としてこの世に存在できるなら、死も怖くはないのですけど・・・。

上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。また、ネタバレの記述もありますのでご注意ください。

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