【あらすじ】
横浜港に入港した乗客乗員3711名を乗せた豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」。乗客のひとりは新型コロナウイルスの感染が確認されており、船内では100人以上が症状を訴えていた。出動要請を受けたのは災害派遣医療チーム「DMAT」。地震や洪水などの災害対応のスペシャリストだが、未知のウィルスへの対応は専門外の医療チームだった。目の前の乗客の命を優先して行動するDMATの指揮官・結城英晴(小栗旬)、国を守るために感染を持ち込まないことを優先する厚労省の立松信貴(松坂桃李)、船内に乗り込み現場を指揮する仙道行義(窪塚洋介)、岐阜に家族を残して駆け付けた医師・真田春人(池松壮亮)。最前線(フロントライン)で守るべきは、この国か、目の前の乗客か。マスコミの過熱報道が世論を煽る中、善乗客乗員を無事に下船させるため、未知のウィルスに立ち向かう・・・
【感想】
私だけではなく、奥さんも長女も観たいと言っていた映画だったので、三人の都合の合う今日、日曜日で混んでいることを承知で観てきました。
感動するとても良い映画でした。当時の報道やその報道によって、いかに自分の観ていた状況が間違っていたのかということも知りました。この映画の内容もどこまで事実に基づくものかはわかりませんが、報道によって物事を判断したり批判したりすることが、どれほど危険なことなのかを、あらためて突き付けられました。ある時期から、私は自分の考え無く物事の一面を見て反対したり批判したりすることはやめようと思っていましたが、それでもこの時は報道だけしか情報がなく、「ダイヤモンド・プリンセス」に対する対応を冷たい目で見ていた記憶があります。しかし、現場では自分の危険を顧みずに、目の前の人を救うという信念と、医療従事者としての信念だけで、世間の冷たい目に耐えながらも頑張ってくれていたのだとわかると、自然と涙が溢れてきました。目から流れ落ちる涙を拭くこともせずに、スクリーンを眺めていました。特に、乗客の家族の絆、船に乗り込んだ医師や看護師の家族へ思い、そういうシーンでは自分でも驚くような大粒の涙が頬を伝わっていきました。
マスコミは、本当に酷い対応をしていたことを極端に描かれていますが、実際も原則ばかり述べていて対応を批判していたコメンテーターなどもいたので、それほど極端に描かれていたのではないのかもしれません。マスコミの批判が無ければ、チームから医師たちが去っていくこともなく、もっとスムーズに対応できたのではないかと思うと、その報道を見て偏見を持って批判の目を持ってしまっていた自分たちも責任があるのかもしれないと思ってしまいます。マスコミも医師も官僚も、自分たちの役割という物差しはいつも基準として持つことの大切さも感じました。
これは実話に基づいている映画だということで、どこまで真実か、どこまで信念を持って対応していたのかはわかりません。しかし、そういう人たちがいたから全員下船ということができたことは間違いないと思います。
それと、映画に出てくる乗客を受け入れた施設は、開院直前の「藤田医科大学岡崎医療センター」です。長くこの地域に住んでいる我々からすると、以前の「藤田保健衛生大学」という名前の方が馴染みがあります。受け入れることを了承した地域の方々も含めて、なにか誇らしい気持ちになったことも、感動を高めた要因でもあります。
思い出して感想を書いている時も泣いてしまうほど、感極まってくる映画でした。

上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。また、ネタバレの記述もありますのでご注意ください。


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