今週の映画は何を観ようかと思っていた時に、いつも行っている映画館では上映されていない(フライヤーを置いていない)この映画を偶然に見つけて、ちょっと興味がわいたので35km以上離れている映画館に昨夜出かけて観てきました。前日に公開された映画でしたが観客は私ひとり。21時からの最終上映とは言え、公開二日目の土曜日の夜にこの状況は寂しい感じでした。
話としてはとても優しい物語で、祖母・文子(市毛良枝)のきっちりとしている暮らしぶりや、文子と孫である拓磨(豆原一成)との関係はとてもほっこりしていていい感じですし、文子と夫・偉志(長塚京三)のお互いに思いやりを持って相手を尊重する優しさが感じられますし、その形が明らかになるラストの偉志が描いた絵手紙に感動して涙がこぼれました。夫婦としてこういう形で穏やかに過ごすことができれば幸せなんだろうなと感じさせてくれました。
しかし、観終わったあとに「いやちょっと待てよ」という気持ちがわいてきました。偉志が文子の日々に感謝してその姿を美しいと感じて絵手紙に残すことは感動的ですが、それは家事は文子がするもの前提の感動であり、文子に学校に行って勉強してほしいという気持ちに大きな矛盾を感じてしまいました。
泣ける映画ということで遠くまで観に行って、偉志の残した絵手紙の内容に涙しましたが、あとでそれは正しい感動の仕方なのだろうかと考えさせられる、ちょっと複雑な気持ちになってしまう映画でした。

定年後男の趣味三昧/映画/富士山と、コーヒーと、しあわせの数式
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。また、ネタバレの記述もありますのでご注意ください。





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