筒井康隆の同名小説を映画化したものです。公開時にちょっと気になった映画でしたので、U-NEXTのポイントの今月期限分で購入し昨夜観てみました。
映像は全編モノクロ映像です。余計な色彩に惑わされないので、現実と儀助(長塚京三)の夢の中の映像に同化していくような気分で、どこから現実なのか夢なのかの区別がつきにくいという効果を出しているように感じました。ストーリーは、現実と夢が交差しながら進む(特に後半は)のでわかり難いです。
しかし、その敵が老いた自分に、徐々にやってくるのではなく突然やってくる「死」だとわかれば、すべてがしっくりときます。わかりにくい儀助の夢が、真面目に生きてきた儀助の中に潜む性的妄想や秘めた願望など人間的な煩悩だとわかると、人間臭さを感じます。
自分も年齢をいくら重ねても、儀助が持ったような煩悩はなくならないことを感じています。「死」を目の当たりにすれば、そういう心の正直なところが頭の中の中心に来るものなのかもしれません。だからといって、死を間近に感じても、わがままで聞き分けの無い老人にはなりたくありませんが、それは敵の存在を感じたときにも守れるか自信が無いのが情けないところです。
社会的な立場や地位を得ても、人間は死という敵に対して逃れることができないので、その時に抑えてきた自分自身の後悔や願望ができるかぎり少なくなるような生き方をしていきたいものだと思います。難しい映画でしたが、老いた自分の今後と重ね合わせると、いろいろと考えさせられる映画でした。
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上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。また、ネタバレの記述もありますのでご注意ください。





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