この映画は予告を観て「老人の手足を切断する」という衝撃的な内容で気になったのですが、チラシも入手できていなかったし、なんか怖い感じがしていたためにすっかり忘れていました。長女が「廃用身、観に行こうよ」と言ったことで思い出し、長女と二人で昨日の夜に観に行ってきました。
最初は、廃用身と呼ばれている麻痺して動かなくなりそれが体の負担になっている手足を切断する治療(Aケア)のスタート、次に、第一例となる岩上(六平直政)の事例、という形で始まっていきます。そこで院長である漆原(染谷将太)の説得力ある説明や、患者を思う優しさなどが描かれて、観ている側は、その治療はとても有効で素晴らしいものなのかもしれないという思いにさせられます。
しかし、寝たきりでしゃべることもできず無反応な夫ともう一度話をしてみたいと、一縷の望みを託してこのAケアを受けた老夫婦が、その希望もかなわず手足の無くなった夫がベッドに横たわる姿は衝撃的でした。この人の尊厳はあるのだろうかという思いが襲ってきますし、なんのために夫をこんな姿にしてしまったのかと後悔の念に苛まれる妻の姿はとても切なくその思いが伝わってきます。
また、最初の症例患者の岩上に対する息子や妻が、どうしようもないひどい息子と妻だという形で描かれます。しかし、それまでの岩上がとってきた態度に対するしっぺ返しなのかもしれない、介護疲れで息子も妻も疲弊していたのかもしれない、などと考えると、息子や妻の態度も特異なものではなくて世の中によくあることなのかもしれないと思えます。現に、長女に「あの息子と妻はひどすぎるよね」と言ったら、「あれが案外普通だよ」と返されてしまいました。
手足を切断とかグロテスクな要素のある映画かなと思って最初はちょっと気持ちが怖がっていた映画でしたが、そんな怖さよりも老後に健康を害した時の生き方というか生かせられ方に怖さを感じる映画でした。自分のこれからの老後の介護される姿をいろいろとシミュレーションしておくことと、どんな状態になっても精神をいかに穏やかに過ごせる生き方をそれまでしていくかということを考えていきたいと思いました。
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上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。また、ネタバレの記述もありますのでご注意ください。





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