小説「後悔病棟」

長女と書店巡りをした時に、「これ面白そうじゃない?」と示されたのが、「後悔病棟」「希望病棟」「懲役病棟」「絶縁病棟」というシリーズ。著者が垣谷美雨なので、面白いことは間違いは無さそうだと思って、まずは「後悔病棟」を買ってきて読んでみました。

患者の心の中を見るのは医師で、その方法は病院の中庭で拾った不思議な聴診器。患者の胸にその聴診器を当てると患者の後悔を聞くことができて、その世界の中にある扉の先に行くと過去をやり直す体験ができるという4つの話で構成されています。4人の末期患者はそれぞれの後悔をなくすために過去をやり直しますが、それによって知らなかった事実を知ったり、別の道の結末を知ったりして、後悔という負の遺産を解消していきます。

4つの話は、私自身の過去についてもいろいろと胸に刺さるところがありました。第1章は、子供の将来に自分がどんな影響を与えてしまったのかという後悔、第2章は、家族との関係に対する反省や後悔、第3章は、反対の立場で第1章と同じく子供の将来に影響を与えてしまったことの後悔、第4章は、友人との関係にかかわる後悔・・・。誰でもそういう後悔は少なからず持っているものだと思います。人生は、あの時にこうしておけばよかったと悔いる場面はいくらでもありますが、この物語を読むと、どんな道を選んでもメリットもデメリットもあるということにあらためて気付きます。ああすれば良かったかもしれないとか、あんなことをされなかったらこんなことにはならなかったとか嘆いて人生を悔いること自体が愚かなことなのかもと思わせてくれます。

感動で泣いたり、胸を打つような作品ではありませんが、人生における選択とそれによる後悔をどう考えればいいのかという示唆を得られる作品だと感じました。次は「希望病棟」を読みたいと思います。主役は不思議な聴診器を受け継いだ黒田摩周湖なのでしょうか。そして希望病棟という意味は何を示唆してくれるのでしょうか。楽しみにしたいと思います。

詳しい感想や書籍情報に興味のある場合は下記ホームページをご覧ください。

定年後男の趣味三昧/小説/後悔病棟

上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。また、ネタバレの記述もありますのでご注意ください。

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