綾辻行人の「館」シリーズ第4作目です。面白くて、ほぼ一日で読み切ってしまいました。第5作目の「時計館の殺人」と合わせて、これで「館」シリーズを読むのは5作品となりますが、この「人形館の殺人」は、他の作品と大きく異なっており、シリーズの中では異色作でした。

物語の構成は、”私”と言う一人称の飛龍想一の文章と、想一の心に隠れた情景表現と、誰かよくわからない人間の想一に対する憎しみ表現で成り立っています。最初は”私”の文章が多いですが、徐々に情景表現が増え、さらに憎しみ表現が増えていきます。情景表現は何をあらわしているのか、憎しみ表現は誰の心の中のものなのか、それが大きな謎となって進みます。また、屋敷である人形館とは関係なさそうな、幼い子供の連続殺人事件が起きるのですが、この事件との関係もどうつながるのか気になります。

「館」シリーズでは中村青司の建てた館のからくりが関係するという期待がわいてきます。そして、いつ登場するのかという島田潔も電話越しながら登場して、いよいよいつもの「館」シリーズだと思わせるのですが、実はこの作品は、いつもの「館」シリーズと思わせる諸々が、読者をミスリードするものでした。

とても面白くて謎を楽しめる作品でしたが、いろんな面で良い意味での「館」シリーズでの異端さが際立つ作品でした。

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定年後男の趣味三昧/小説/人形館の殺人

上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。また、ネタバレの記述もありますのでご注意ください。

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