小説「未来」

映画を観て、親による暴力や、母子家庭の経済的問題、児童への性的虐待などの社会問題を、苦しくなるくらいにこれでもかと突き付けられたので、これは原作も読んでおくべきかなと思ったので読んでみました。

映画では、いろんな視点・時代の話が入れかわり立ちかわり出てくるので、ちょっとわかり難いところもありましたが、小説では、章ごとに、章子、亜里沙、篠宮、良太の一貫した視点で書かれているので、映画よりはわかりやすくて理解しやすかったです。ただ、同じ視点の中でも、思い出したりするという設定で、時系列が前後したり行きつ戻りつつしたりしているところもあるので、そういうところはちょっとわかりにくいところもありました。また、4人の視点の話で全体像を組み立てていかないといけないので、時系列を合わせながら読むということには少し気を使いました。

映画で感じた社会問題は、小説ではより強く感じました。章子、亜里沙、健斗、智恵理、良太、真珠・・・それぞれの境遇がとても身近な問題に感じ、自分を振り返ると、この子供たちに近いことを自分もしていたかも知れない、守ってあげなかったかもしれない、同じように心を傷付けていたかもしれない、そんなことを痛烈に感じてしまいました。あまりにも切なくて可哀想な環境に対して、自分の子供も多かれ少なかれそういう境遇だったのだろうと思うと泣けてきてしまいました。特に、子供間のイジメは本当に無くなってほしいと思いました。

小説では、映画で完全には読み取れなかった「未来」というタイトルの意味が少しわかった気がします。ラストシーンは映画で感じたのと同じく、章子が急に助けを求める考えになったことが少し不自然に感じましたが、あの終わり方が救いなのかもしれないと思えるようにもなりました。

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定年後男の趣味三昧/小説/未来

上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。また、ネタバレの記述もありますのでご注意ください。

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