映画「白鳥とコウモリ」

長女は映画よりも原作を読みたいと言っていた東野圭吾の「白鳥とコウモリ」。魅力ある原作のある映画は、原作を読んで観るか、読む前に観るかいつも迷います。しかし、原作は上下2巻なので読むには時間が必要なので、今回は私も長女も原作を読まずに観ることにし、昨日観てきました。

弁護士・白石健介(中村芝翫)を殺したと自供した倉木和真(松村北斗)の父親・達郎(三浦友和)、殺された弁護士・白石の娘・美令(今田美桜)の二人は、達郎の自白の中のそれぞれの父親の行動や言動に疑問を持ち、加害者の子と被害者の子が真実を追っていくという物語です。そしてたどり着いた真実の背景には、30年前の殺人事件の真実がかかわっていました。正義感のある刑事・五代(柄本佑 )のサポートも絡みながら、真実が明らかになっていく過程にはとても引き込まれました。派手なところはありませんが、複雑な心境の中、和真と美令がその感情を抑えたり吐き出したりしながらの静かな展開はリアルさを感じました。

単純に誰が白鳥で誰がコウモリなのかという想像をしていましたが、物語が進むにつれて、白鳥は白、つまり善であり真実、コウモリは黒、つまり悪であり嘘、ということをあらわしているのだとわかってきます。倉木達郎は善なのか悪なのか、真実なのか嘘なのか。白石健介は善なのか悪なのか、真実なのか嘘なのか、それがそんな簡単に割り切れるものではないことがわかってきて、なにかやりきれなさというか悲しさというか、そんな気持ちになります。誰かを助けるため、自分の贖罪のため、人は嘘をつきます。その嘘は悪だと言えるものではありません。そもそも、人間は、白と黒に完全に切り分けられるものではないということを突きつけられます。

観終わると、東野圭吾らしい物語だなということを強く感じました。単なるミステリーではなく人間の弱さや悲しさが深く描かれています。最近は単純なミステリーを欲している私なので東野圭吾作品からは遠ざかっていますが、この作品は映画では描かれていないところもあるかも知れないので、読んでみようかなと思います。

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定年後男の趣味三昧/映画/白鳥とコウモリ

上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。また、ネタバレの記述もありますのでご注意ください。

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