「方舟」の最後の絶望で背筋をぞっとさせる冷たいどんでん返しの結末がとても素晴らしかったので、夕木春央のこのシリーズの次作「十戒」も読みたいと思っていたので、今回読んでみました。
「方舟」と同様に、密室状態で登場人物は9人のみ、現場は島内という、その中でどういう意外性のある結末を見せてくれるのか期待を持って読み進めました。
どんでん返しは帰りの船の上の里英と綾川の会話で明かされます。そもそも里英が大事な真実を隠していたから読者は騙されるのだと最初は思ってしまいましたが、解説を読むと、里英はけっして嘘は言っておらず、むしろヒントさえ与えていたと解釈できるところもあるようです。なので、その真実を知ったうえで、もう一度読み直したくなるというのが、この作品の売りのようです。私もパラパラと読み直してみましたが、真実を知っていると里英の思いや会話の印象がかわるところもあります。ただ、「方舟」で感じた、トリックの絶妙さや絶望感はそれほど感じなくて、読み終えたあとのやられた感や満足感は「方舟」には及びませんでした。
しかし、意外な驚きが最後に隠されていました。「方舟」との登場人物の連続性です。最後の綾川の言葉、「-じゃあ、さよなら」は「方舟」を読んでいると強く心にひっかかります。
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定年後男の趣味三昧/小説/十戒
上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。また、ネタバレの記述もありますのでご注意ください。





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