映画「相棒-劇場版-」

「相棒-劇場版-」を奥さんを誘って見に行って来て、今帰って来ました。
私は根っからの「相棒」ファンです。
テレビ「相棒」では、杉下右京と亀山薫はじめとする登場人物のキャラクター設定と、メッセージ性のある高品質なストーリについつい引き込まれてしまっています。当然、中にはつまらないストーリもありますが、そういう回でも相棒二人のやりとりや個性だけでも見ごたえはあることが多いです。
そういう「相棒」ファンである私が見た今回の「相棒?劇場版?」。
誤解を恐れずに言うならば、期待はずれ。
確かに事件のスケールの大きさと強い政治に対するメッセージは評価できます。
でも、あれは杉下右京でなくてもいいし、亀山薫でなくてもいい。
右京の智恵の切れ味はチェスに限られ、それ以外の部分はあまり根拠の無い想像みたいなことになっています。大きな事件にしては右京のチェスでの推測に対して動くのが亀山だけというのも不自然。
つまり、事件を大きく設定しすぎたために、いつもの杉下右京と亀山薫の犯人を含めた絶妙なやりとりが、この劇場版ではまったく生きていないような気がします。
最後の真実がわかる場面でも、片山は自分の欲があっての世間への発表だし、右京がよむ手紙も内容はともかく、あそこで読むことにスムーズな流れを感じません。本来ならば、被害者や遺族の思い推察し涙する最後のシーンでも、普段の「相棒」ならば、あんな直接的なメッセージで泣かせるのではなくて、もっとさり気無い行動や会話で涙を流させてくれます。
面白い映画ではありますが、私の中での「相棒」とは少し観点が違っていたように思います。これで本当に大ヒット映画なのでしょうか・・・。事前のコマーシャルによるところが多いような気がします。
「相棒」ファンだから、あえて書きましたが、これからも「相棒」ファンであることに間違いはありません。
今から、録画しておいた3日夜放送の土曜サスペンス劇場の「相棒・名コンビ誕生篇」を見たいと思います。

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