ビジネスをしていると、必ず考えなくてはいけないのが損益分岐点。
縦軸を金額、横軸を商品数量とした座標で、販売数量と売上高の関係を表すグラフ(売上グラフと呼ぶことにします)と、販売数量と固定費・変動費の関係を表すグラフ(コストグラフと呼ぶことにします)との交点のことです。
この交点の販売数量に対して、実際の販売数量が上回れば黒字、下回れば赤字となるわけです。
儲けの厚い商品が売れれば、売上グラフの傾きは大きくなってコストグラフとの交点は左に動きます。
儲けの薄い商品しか売れなければ、売上グラフの傾きは小さくなってコストグラフとの交点は右に動きます。
人件費などの固定費が多くなると、コストグラフが上に上がり、売上グラフとの交点は右に動きます。
人件費を削って固定費を削減すると、コストグラフが下に下がり、売上グラフとの交点は左に動きます。
為替や資材高騰で変動費が増えると、コストグラフの傾きが大きくなって、売上グラフとの交点は右に動きます。
為替や原価低減で変動費が減ると、コストグラフの傾きが小さくなって、売上グラフとの交点は左に動きます。
売上グラフとコストグラフの交点、すなわち損益分岐点が左に動くと少ない商品数で利益を出すことができ、右に動くと多くの商品数でしか利益を出せなくなります。
多くの企業が赤字の決算発表を余儀なくされる環境ですが、なぜ赤字になったかは、そういうことを考えるといろんな要素がかかわってきていることが分かります。
数年前に比べると、固定費が増え構造的に損益分岐点が右に動いてしまっていた企業もあり、円高のような環境変化で対応不可能なほどに損益分岐点が右に動いてしまう構造を持った輸出主体企業もあります。
販売数量が多い時はその構造的問題が表面に出ることはなかったために見過ごされていましたが、世界不況で販売数量が激減してしまうと、その構造的な問題が企業ごとに顕著に出てしまい、対応が追いつかずに赤字を出してしまう企業が増えたということなんでしょう。
損益分岐点に対し、どういうことが起きたらそれがどう変化するのか、その影響はどの程度なのか、そういうケーススタディを日頃からおこなって、先手先手で手を打ったり、おかしな構造にならないように舵取りをしたうえで、利益の拡大を目指すのが経営者の仕事なのかなと、各社の決算状況を見てあらためて経営の難しさを考えた次第です。
過ぎてしまったことはなんとでも評論できますが、大事なのは今の状況をいかに建て直すかということです。損益分岐点をなりふりかまわず安易に左にする施策ばかり考えて舵取りをすると、投資が萎み商品を売って売上を伸ばせない状況になっていきます。だからといって、放置して赤字のままの企業では存在していくことができません。
まさに正念場の時期です。
損益分岐点
徒然の思い

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