昨年公開の「正欲」もそうでしたが、新垣結衣の映画は観ておかないとと思って映画館に行ってきました。広いシアターに観客は4人だけという寂しい状況でしたが、映画はとても良かったです。
両親を目の前で突然に交通事故で亡くした中学生の朝(早瀬憩)は、葬儀の場で親戚が自分の行先が決まらずたらいまわしにされるかもしれないという話を聞きます。そんな時に、朝の母親である姉を嫌っている小説家の槙生(新垣結衣)が朝を引き取ると宣言します。そしてふたりの共同生活が始まるというストーリーです。
事前にフライヤーで見ていた映画の印象は、ふたりの関係はもう少し殺伐として打ち解けない関係でそんなふたりがぶつかりながら共同生活をしていくのかなと思っていたのですが、それは間違っていました。槙生は、過去に姉の言葉で傷つき人間関係が苦手で不器用なおとなであり、朝は、母親に愛されながらも実は母親の考え方に誘導されていて自分の考えを押し通すことができない思春期真っただ中の少女でした。なので、ふたりはお互いを尊重しながら、姉の姿、母の姿を見つめ直していくというとても素直で穏やかな関係でした。
槙生と朝だけではなく、朝の友人たちの多様な価値観を描き出すことにより、自分の考えを押し付けたり、ひとつの価値観でものごとを判断したり、そういうことは人を傷つけるのだということを、あらためて気付かせてくれる映画でした。槙生が朝に言う、「あなたを愛せるかどうかはわからない。でもわたしは決してあなたを踏みにじらない」、「誰かのことを一番に思うっていうのは大変なことだよ、たぶん。」という言葉が心に残りました。

上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。また、ネタバレの記述もありますのでご注意ください。





コメント