実は、昨日今日と風邪なのか体調を崩しています。普段はなかなか読書をしたくてもまとまった時間をとれないのですが、そういう理由で少しまとまった時間をのんびりと過ごすことができましたので、読みたかった本をまとめ読みしています。
ということで、今日読んだのは「ホテルローヤル」。
「ホテルローヤル」は今年の直木賞受賞作で、北海道の湿原の見える高台にあるラブホテル「ホテルローヤル」を中心に繰り広げられる短編7編で構成される作品です。
最初の短編が、「シャッターチャンス」。これは、廃墟となった「ホテルローヤル」に入り込み、男女が写真撮影するという話なのですが、正直、この短編だけでは、文章も理解しにくく、ふたりの行動も全然ピンときませんでした。しかし、短編を読み続けると、時間軸が前に前にさかのぼっていくのと、それぞれの短編がきちんとどこかでリンクされていることがわかってきて、全体がホテルローヤルの栄枯盛衰の物語であることが明確にわかってきます。そうすると、実に面白い構成と内容のひとつの作品に思えてきます。ホテルローヤルがまったく出てこない短編「せんせぇ」も、実はホテルローヤル終焉の重要な出来事の布石の物語となっています。読み終わったあとにもう一度すべての物語をそのリンクを確認しながら(ひょっとして気づいていないリンクもあるかも)読み返したくなります。軽く楽しめる面白い作品でした。
ちなみに、作者桜木紫乃の実家がタイトルと同じ名前のラブホテルを経営していて、この作品を書くことで実家がラブホテルだったというわだかまりに向き合えたというようなことを直木賞受賞インタビューで聞いた記憶があります。
【小説】「ホテルローヤル」
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