私は東野圭吾の作品が大好きで、この作品は、2016年の入院時にむさぼり読んだ本の中の1冊でした。加賀恭一郎が新参者として日本橋署に来た目的など、加賀の家族や生い立ちが描かれた作品です。病気で夫と息子を捨てていった母と、娘を守るために自分の存在を捨てた男。その息子と娘。この関係が絡み合いながら悲しい事件につながっていきます。なぜ押谷道子は殺されたのか、殺されて焼かれたホームレスは誰なのか、残されたカレンダーに書かれた橋の名前は何を意味するのか、その謎解きと合わせて加賀恭一郎の母と父の息子への思いが明らかになっていきます。そして浅居博美の明らかになっていく切なくて悲しすぎる過去。小説で読んだ時の見事なストーリーがそのまま映像化されていて、最後に浅居忠雄の加賀宛ての手紙が明かされるところでは、小説では感じられなかった思いがこみ上げて涙してしまいました。小説では、その手紙が加賀の手に渡る前に終わって、加賀がその手紙を読んでどう思うかは想像でしたが、映画では、加賀が一人で読んで涙するという形になっていてその感情がダイレクトに伝わってきました。最後のクレジットの背景には、テレビ番組「新参組」の出演者もちらっと顔出しがあって、この加賀恭一郎シリーズの奥深さや完成度を感じとれます。(この映画は一度はテレビ放映などで観た記憶もかすかにあるのですが、きちんと向き合って観ていなかったのかほとんど覚えていませんでした。)

上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。また、ネタバレの記述もありますのでご注意ください。





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