映画「怪物」

この映画も劇場でやっている時に観たいと思っていた映画でした。DVDで今回観る機会がありましたが、想像していた内容を良い意味で裏切られたとても良質な映画でした。

この映画は、同じ時間を、母親の視点、担任教師の視点、子供の視点で順次描かれます。それを知らない母親の視点の時、学校の教師のイジメに対する対応がとても酷くて母親による教師と言う怪物との戦いかと思って少し気が重くなったのですが、次に最初から担任教師の視点で描かれるとその印象は一変します。怪物は教師を騙してイジメをしていた子供なのかと思ってしまいます。そして最後に子供たちの視点で描かれると、その光景はまた一変します。

この映画のタイトルは、「怪物」ですが、「だーれだ」とも書かれています。最後まで観て怪物は誰だったのか。視点を変えると怪物などいない。あるいは誰もが怪物なのかもしれない。それは見る人の偏った見方、つまり偏見によるのだと。怪物でなくてもそういう目で見ると怪物にも見えるし、怪物でも濁った眼で見ると普通に見える。そういうことを考えさせられる映画なのかなと思いました。

私も子どもの受けたイジメについて学校に行って教師と話をしたことがありますが、なぜこちらの気持をわかってくれないのかと腹立たしい思いをした経験がありますが、そんな時でも冷静に視点を変えた見方に努めるべきだったかなと思ったりしました。イジメ問題だけでなく、すべてのことに対して偏見を持たずに多角的な視点が重要だということをあらためて認識させられました。とてもいい映画でした。

なお、この作品は、坂本龍一の最後の映画音楽作品となりました。

上記はあくまで私の主観です。あとで自分がその時にどう思ったかを忘れないための記録であり、作品の評価ではありません。また、ネタバレの記述もありますのでご注意ください。

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